SSのリンゴ砲攻撃に竹の棒で応戦?!負傷した捕鯨船団の乗組員が証言 SS元船長第2回公判ライブ(産経新聞)
【法廷ライブ SS元船長第2回公判】(1)
《環境保護を標榜(ひょうぼう)する米団体「シー・シェパード(SS)」のメンバーによる日本の調査捕鯨妨害事件で、艦船侵入や傷害など5つの罪に問われたSS抗議船「アディ・ギル号」元船長、ピーター・ジェームス・ベスーン被告(45)の第2回公判が28日午前10時1分、東京地裁(多和田隆史裁判長)で始まった》
《この日の公判では、ベスーン被告が調査捕鯨団の監視船「第2昭南丸」に酪酸(らくさん)入りの瓶を放った後に顔に1週間の熱傷を負った乗組員と診断を行った船医への証人尋問が行われる予定だ》
《昨日の初公判の罪状認否で、ベスーン被告は「傷害罪について否認します。私はいかなる人にも傷害を負わせる意図はなかった」「瓶を投げたことは認めるが、背景についてはいろいろ事情があり、審理の中で明らかにします」と述べた。傷害罪の成否が焦点となっており、この日の証人2人が被害の状況をどう語るのか注目される》
《法廷は昨日と同じ426号法廷だ。注目を集める公判だけに開廷前には、21枚の傍聴券を求め、200人以上が列をつくった》
裁判長「それでは被告を入廷させてください」
《開廷予定の午前10時ちょうど、ベスーン被告が法廷に入ってくる。昨日同様、黒いスーツに白いワイシャツ姿。事件当時の報道でトレードマークともなったスキンヘッドからはうっすら髪が伸びている。顔をやや紅潮させ、裁判官席と傍聴席をキョロキョロ見回した後、弁護人の前の長いすに座った》
《開廷に際して裁判長が傍聴席に注意を述べた》
裁判長「不規則発言など不穏な行動をしたらただちに退廷を命じます。録音や録画の行為が見られたら身柄を拘束します」
《このような付言はめったになく、裁判所側がそれだけピリピリしているのだろうか》
裁判長「それでは○○証人(公判では実名)の入廷をお願いします」
《負傷した第2昭南丸の乗組員の○○さんが入廷する。単髪でがっちりした体つきをしている。裁判長にうながされ、宣誓を行った。日本語でのやりとりにベスーン被告は不安げに裁判長席の前に座る女性通訳を見ている》
《通訳が宣誓内容を英語に訳すと、ゆっくりうなずき、ちらっと傍聴席の方を見た》
裁判長「暑ければ、上着を脱いでもらってけっこうですから」
《昨日の公判でベスーン被告が「Hot」(暑い)と訴えていたからか、裁判長がつけ加えた》
検察官「○○さん、上着脱がなくていいですか」
《検察官も質問に先立ち、ひと言つけ加えた》
検察官「君は第2昭南丸の乗組員として、第23次調査捕鯨団に参加していましたね」
証人「はい」
《証人は体格に似合わない小さい声で答える》
検察官「SSのゴムボートからランチャーで酪酸入りの瓶を撃ち込まれたときの状況を聴いていきます」
《起訴状によると、ベスーン被告は今年2月11日、南極海で航行中の調査捕鯨団の監視船「第2昭南丸」に酪酸入りの瓶を放ち、異臭を拡散させて業務を妨害、乗組員1人にけがをさせた。同月15日には、第2昭南丸に水上バイクで接近、防護用ネットをナイフで切り、船内に不法侵入するなどしたとされる》
検察官「当時、君は妨害排除業務についていましたね」
証人「はい」
《妨害排除業務とは、SSのメンバーが船に乗り組むのを阻止する業務のようだ。ベスーン被告は手のひらを開いたり、両手を握ったりと少し落ち着きがない》
検察官「左舷側に立って海の方向を見てSSのゴムボートを見張っていましたよね」
証人「はい」
《ここで検察官が法廷内の大型モニターに第2昭南丸の見取り図を映し出す。左舷側の図面と真上から見た図だ》
検察官「君がいた位置を指で示してください」
《証人は真上から見た図の左舷中央のやや船首よりを指さした。ベスーン被告はモニターと証人を交互に見つめている》
検察官「船尾寄りにはAさん、Bさん、Cさん(公判ではいずれも実名)がいましたね」
証人「はい」
検察官「どのぐらい離れていましたか」
証人「10メートルぐらいだったと思います」
検察官「AさんとBさんはインパルス銃、Cさんは竹の棒を持って立っていたんですよね」
証人「はい」
《インパルス銃とは、本来は消火器として使われるが、勢いよく水を放って侵入してこようとする者を防ぐことにも使用される》
検察官「服装は迷彩柄の合羽(かっぱ)にオレンジ色の救命胴衣、手袋をして長靴をはいていましたね」
証人「はい」
検察官「手には竹の棒を持っていた?」
証人「はい」
検察官「竹の棒は何のために使うのですか」
証人「(誰かが)乗り込もうとしたときに使います」
検察官「乗り込むのを防止するため?」
証人「はい」
検察官「頭にはヘルメットをかぶっていましたね。前に上げ下げできるプラスチック製の透明のガードが付いていましたね」
証人「はい」
検察官「どの辺りまで下げていましたか」
証人「鼻の辺りです」
検察官「どうして下げる必要があるのですか」
証人「目を守るためです」
検察官「どうして一番下まで下げなかったのですか」
証人「目が隠れればそれでいいと思っていました」
検察官「SSのゴムボートは左舷側から右舷側に回り、さらに左舷側に回り込んできましたね」
証人「はい」
検察官「君以外に対応した人がいましたね」
証人「AさんとBさんがインパルス銃で水を撃ちました」
検察官「水はかかりましたか」
証人「かかっていません」
検察官「風は?」
証人「船首から船尾側に吹いていました」
検察官「君は風上にいたことになりますね」
証人「はい」
《弁護側が証人の負傷の原因がインパルス銃の水がかかったことにあるのではないかと疑義をはさんでいることに対抗しての質問とみられる》
検察官「ボートまでの距離は?」
証人「15から20メートルぐらいです」
検察官「被告は乗っていましたか」
証人「はい」
検察官「被告は何をしましたか」
証人「ランチャーを構えました」
検察官「どう思いましたか」
証人「危ないと思いました」
検察官「何が危ないと?」
証人「酪酸とか塗料の入った瓶、リンゴを撃ち込まれると思いました」
検察官「どうしてそう思いましたか」
証人「今までも投げ込まれていたので」
検察官「リンゴが撃ち込まれるとは?」
証人「リンゴが実際撃ち込まれた話を聞いたからです」
《SSのボートから捕鯨船団の船にリンゴが撃ち込まれたのは、事件から2カ月前の平成21年12月のことだったという》
検察官「危ないと思ってどうしましたか」
証人「コンパニオンの下に隠れようと思いました」
《コンパニオンはブリッジの下にあり、外からは隠れる部分を指すようだ。検察官にうながされ、見取り図のうち、証人が立っていた位置の近くのブリッジ側を指さした》
裁判長「範囲に幅があるようなのでもうちょっと特定してください」
検察官「マストの真下辺りですね」
証人「はい」
検察官「コンパニオンには何を置いていましたか」
証人「ゴミ箱とかです」
《ここで聞き取れなかった通訳が聞き返す》
裁判長「証人はもうちょっと大きな声でしゃべってください」
《裁判長が事務官にマイクの位置を再調整させた。検察官が「緊張しているのかな」と証人に問いかけた。ベスーン被告はじっと証人を見つめている》
=(2)に続く
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《この日の公判では、ベスーン被告が調査捕鯨団の監視船「第2昭南丸」に酪酸(らくさん)入りの瓶を放った後に顔に1週間の熱傷を負った乗組員と診断を行った船医への証人尋問が行われる予定だ》
《昨日の初公判の罪状認否で、ベスーン被告は「傷害罪について否認します。私はいかなる人にも傷害を負わせる意図はなかった」「瓶を投げたことは認めるが、背景についてはいろいろ事情があり、審理の中で明らかにします」と述べた。傷害罪の成否が焦点となっており、この日の証人2人が被害の状況をどう語るのか注目される》
《法廷は昨日と同じ426号法廷だ。注目を集める公判だけに開廷前には、21枚の傍聴券を求め、200人以上が列をつくった》
裁判長「それでは被告を入廷させてください」
《開廷予定の午前10時ちょうど、ベスーン被告が法廷に入ってくる。昨日同様、黒いスーツに白いワイシャツ姿。事件当時の報道でトレードマークともなったスキンヘッドからはうっすら髪が伸びている。顔をやや紅潮させ、裁判官席と傍聴席をキョロキョロ見回した後、弁護人の前の長いすに座った》
《開廷に際して裁判長が傍聴席に注意を述べた》
裁判長「不規則発言など不穏な行動をしたらただちに退廷を命じます。録音や録画の行為が見られたら身柄を拘束します」
《このような付言はめったになく、裁判所側がそれだけピリピリしているのだろうか》
裁判長「それでは○○証人(公判では実名)の入廷をお願いします」
《負傷した第2昭南丸の乗組員の○○さんが入廷する。単髪でがっちりした体つきをしている。裁判長にうながされ、宣誓を行った。日本語でのやりとりにベスーン被告は不安げに裁判長席の前に座る女性通訳を見ている》
《通訳が宣誓内容を英語に訳すと、ゆっくりうなずき、ちらっと傍聴席の方を見た》
裁判長「暑ければ、上着を脱いでもらってけっこうですから」
《昨日の公判でベスーン被告が「Hot」(暑い)と訴えていたからか、裁判長がつけ加えた》
検察官「○○さん、上着脱がなくていいですか」
《検察官も質問に先立ち、ひと言つけ加えた》
検察官「君は第2昭南丸の乗組員として、第23次調査捕鯨団に参加していましたね」
証人「はい」
《証人は体格に似合わない小さい声で答える》
検察官「SSのゴムボートからランチャーで酪酸入りの瓶を撃ち込まれたときの状況を聴いていきます」
《起訴状によると、ベスーン被告は今年2月11日、南極海で航行中の調査捕鯨団の監視船「第2昭南丸」に酪酸入りの瓶を放ち、異臭を拡散させて業務を妨害、乗組員1人にけがをさせた。同月15日には、第2昭南丸に水上バイクで接近、防護用ネットをナイフで切り、船内に不法侵入するなどしたとされる》
検察官「当時、君は妨害排除業務についていましたね」
証人「はい」
《妨害排除業務とは、SSのメンバーが船に乗り組むのを阻止する業務のようだ。ベスーン被告は手のひらを開いたり、両手を握ったりと少し落ち着きがない》
検察官「左舷側に立って海の方向を見てSSのゴムボートを見張っていましたよね」
証人「はい」
《ここで検察官が法廷内の大型モニターに第2昭南丸の見取り図を映し出す。左舷側の図面と真上から見た図だ》
検察官「君がいた位置を指で示してください」
《証人は真上から見た図の左舷中央のやや船首よりを指さした。ベスーン被告はモニターと証人を交互に見つめている》
検察官「船尾寄りにはAさん、Bさん、Cさん(公判ではいずれも実名)がいましたね」
証人「はい」
検察官「どのぐらい離れていましたか」
証人「10メートルぐらいだったと思います」
検察官「AさんとBさんはインパルス銃、Cさんは竹の棒を持って立っていたんですよね」
証人「はい」
《インパルス銃とは、本来は消火器として使われるが、勢いよく水を放って侵入してこようとする者を防ぐことにも使用される》
検察官「服装は迷彩柄の合羽(かっぱ)にオレンジ色の救命胴衣、手袋をして長靴をはいていましたね」
証人「はい」
検察官「手には竹の棒を持っていた?」
証人「はい」
検察官「竹の棒は何のために使うのですか」
証人「(誰かが)乗り込もうとしたときに使います」
検察官「乗り込むのを防止するため?」
証人「はい」
検察官「頭にはヘルメットをかぶっていましたね。前に上げ下げできるプラスチック製の透明のガードが付いていましたね」
証人「はい」
検察官「どの辺りまで下げていましたか」
証人「鼻の辺りです」
検察官「どうして下げる必要があるのですか」
証人「目を守るためです」
検察官「どうして一番下まで下げなかったのですか」
証人「目が隠れればそれでいいと思っていました」
検察官「SSのゴムボートは左舷側から右舷側に回り、さらに左舷側に回り込んできましたね」
証人「はい」
検察官「君以外に対応した人がいましたね」
証人「AさんとBさんがインパルス銃で水を撃ちました」
検察官「水はかかりましたか」
証人「かかっていません」
検察官「風は?」
証人「船首から船尾側に吹いていました」
検察官「君は風上にいたことになりますね」
証人「はい」
《弁護側が証人の負傷の原因がインパルス銃の水がかかったことにあるのではないかと疑義をはさんでいることに対抗しての質問とみられる》
検察官「ボートまでの距離は?」
証人「15から20メートルぐらいです」
検察官「被告は乗っていましたか」
証人「はい」
検察官「被告は何をしましたか」
証人「ランチャーを構えました」
検察官「どう思いましたか」
証人「危ないと思いました」
検察官「何が危ないと?」
証人「酪酸とか塗料の入った瓶、リンゴを撃ち込まれると思いました」
検察官「どうしてそう思いましたか」
証人「今までも投げ込まれていたので」
検察官「リンゴが撃ち込まれるとは?」
証人「リンゴが実際撃ち込まれた話を聞いたからです」
《SSのボートから捕鯨船団の船にリンゴが撃ち込まれたのは、事件から2カ月前の平成21年12月のことだったという》
検察官「危ないと思ってどうしましたか」
証人「コンパニオンの下に隠れようと思いました」
《コンパニオンはブリッジの下にあり、外からは隠れる部分を指すようだ。検察官にうながされ、見取り図のうち、証人が立っていた位置の近くのブリッジ側を指さした》
裁判長「範囲に幅があるようなのでもうちょっと特定してください」
検察官「マストの真下辺りですね」
証人「はい」
検察官「コンパニオンには何を置いていましたか」
証人「ゴミ箱とかです」
《ここで聞き取れなかった通訳が聞き返す》
裁判長「証人はもうちょっと大きな声でしゃべってください」
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2010-06-01 19:23
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